お悔やみなどを申し上げつつ

Hallyさんがいろいろツイートしてたのは知ってたんですが。

曰く、元Atariのコンポーザー、Brad Fuller氏が亡くなられたんだそうで。
オレはこの御仁の事を知らなかったんで、大して気にも留めていなかったんだが、後に並木さんのツイートでPeter Pack Ratのコンポーザーでもある事を知った。
ピーター・パック・ラット!マヂか?!
まさか、秘かに影響を与えてくれていた方だったとわー。

高校生の頃にドルアーガの塔で燃え尽きて以来、一旦ゲーセン通いを卒業したんだが、その2年後ぐらいに地元でいつもツルんでた友達がロードブラスターなるレーザーディスクのカーアクションにハマったおかげで、ゲーセン通いによく付き合わされていた。
ただ、オレは行っても、ソイツのロードブラスターを横で眺める専だったんだけど、それもなかなか退屈なモンだからゲーセン内を徘徊してたら、とある筐体の前で足が止まった。
コレ、音がステレオで鳴ってるやん、と。
しかもそのBGM、他とは違って何かシュールでイイなあと思って眺めていたら、ロードブラスター君もサウンド面が気になったようで、2人で代わる代わるプレイするようになった。
プレイヤーのネズミが石を拾って、邪魔な動物たちに投げて攻撃しながら宝物を持ち帰るアクションゲームなんだけど、1プレイ200円もするわ、完全に洋ゲーなんで表記は全て英語でルールもワカンネエわで、いろいろとっつき辛かったものの、何となく進めて行くうちに、どうやら4面以降は難易度が上がるだけでBGM的にはここで打ち止めだと分かった。
ホントに音楽だけが目的でプレイしてたんで、そこから先はもう未練も無くて、ある日ラジカセを持ち込んで3面までのBGMを録音すると、それ以降はやらなくなっちゃった。

それから3年ぐらい後に、K社で社長と入社面接した際に「目標とするゲーム音楽はありますか?」って訊かれて、ドラクエみたいなゲームが作りたいってのがゲーム会社を志望した動機だったのに、ナゼか咄嗟に「あのー、ネズミが石を投げるゲームなんですけどー」って出ちゃった。
そしたら社長が「あー、Peter Pack Ratね」って。社長、ゲーム嫌いな人なのに、それに関してはオレより詳しかったのが今となっては不思議でならぬ。
オレもそれを聞いて、あー確か筐体にそー書いてあったっけなーってうっすら思い出して、そこで初めてピーターパックラットという固有名詞で認識するようになったっつー。
K社に入った直後にIsolated Warriorっていう海外向けのNESゲー(完成後にマックス・ウォーリアーとしてファミコンでも販売される事になった)を作ったんだけど、嬉しい事に、何人かに「この音楽、外国人が作ってるのかと思った」って云われましてん。
アイソとパックラットはまるで曲調が違うけど、アイソで海外っぽい何かを醸し出せたのだとしたら、それは間違い無くパックラットからもらった物なんだと思う。
どうか、安らかにご永眠されますよう。

ちなみに、ロードブラスターですが、その友達が何日もやってるのをずーっと横で見ていたおかげで、パターンとかハンドル捌きなんかをすっかり覚えてしまい、ソイツが初クリアして歓喜してる横でオレも試しに初プレイしてみたら、まんまと1コインクリアやらかしまして。