フュージョン完全体

もう20年近く、MacBookとiMacを交互に購入している。

2011年に買ったMacBook Proには一番高いチップと最大メモリと、あと当時スゲー高かったSSDを奮発して入れたおかげで爆速で、重すぎて使えなかったプラグインもフツーに使えるようになった。
ところが、その5年後にマザーボードが故障して、それをキッカケにFusionドライブのiMacを買ったら、チップとメモリがもっと強化されたハズなのに音楽制作用途としてはチャンチャラ使えなくなって、ここでようやく爆速の原因の99パーがSSDだったと気付いて、外付けSSDを買ってシステムディスク化して使うも、当時のSSDはまだヤワだったのか4年と持たず、それ以降は専らネットを見る、メールを見ると云ったゆっるい業務だけをこなすお爺ちゃんパソコンと化した。
ただ、やっぱり音楽とかの制作モノはデカイ画面の方が作業しやすいんだよなー。

そして今年になって、新OSであるBig Surの影響なのか、マクブクは全然平気なのにアイマクだけは起動に15分もかかるわ、アプリもやたら遅いわ、ただの漢字変換ですらなかなか候補が出ないわで、何だかウイルスまみれのWin95みたいな状態になった。
改善すべくディスク容量を削ったり、あらゆるリセット項目を試したりと手を尽くしたんだが、それでも全く効果が無いんだから、ついに堪忍袋の緒がキレた。
こうなったら、内蔵ドライブに手を入れちまえ、と。
コレやると、もうアップルからのサポートは受けられなくなるんだけど、ここまで落ちたらもお関係ねえ、長年の因縁に決着つけたるわー、と思って。
Fusionドライブってのは、小容量SSDと大容量HDDを組み合わせてニコイチとして扱う方式なんだが、このHDD部分をSSDに変えてやれば解決するだろうっつー寸法である。

新しいSSD、5年前は960GBで2万4千円だったのに、今や2TBが2万チョイ円ですと。
それと、秋葉館で21.5インチiMacのディスプレイ外しキットとプラスティックカードを買った。キットには専用の両面テープとなんちゃってピザカッターが入っている。
ホントはT10サイズのトルクスドライバーっつー六芒星のネジ穴を開けるヤツも必要なんだけど、それは持ってた。
うちの年式のアイマクは内蔵HDDが3.5インチだと聞いて、そのスペースに2.5インチSSDを組み込むためのブラケットも買ったんだが、いざ開けてみたら2.5インチが入ってやがんだから全くムダな買い物だったっつー。

やり方としては、まずディスプレイを外すんだが、強力な両面テープで貼ってあるだけなんで、ピザカッターとカードを使って剥がして、ディスプレイと本体を繋ぐケーブル2本を抜けばオーケー。
内蔵ドライブ交換も、HDDホルダーを外して、左スピーカーをネジを外してフリーにしてやればドライブ用コネクターが抜けるようになるんで、ソレをSSDに挿し替えて逆の手順で戻せば交換完了。
ただ、この時点でディスプレイの両面テープを本貼りしてしまうと、何かをうっかりミスってまたアイマクを開けるハメになった時に後悔しかしないんで、テープで仮止めぐらいにしておく。
そして、リカバリーモードで起動。古い小容量SSDと新品のSSDをフュージョンするのはターミナルでUNIXコマンドを打って行う。ここまでは意外とチョロかった。

あとはTimeMachineバックアップを復元させるだけで万事オーケー……なんだけど、今回の作業で唯一の難所がコレだった。
いくらやってもエラーで弾かれてしまってもがいていると、うちのアイマクが2015年製なせいか、リカバリーモードのOSが当時のバージョン10.11.6なんかで動いてるのが気になった。コレ、El Capitanぢゃんかよう。Big Surから数えてCatalina、Mojave、High Sierra、Sierraと遡ってさらにEl Capitanとわー。
それならばと、2つ前のMojaveの起動ディスクを持ってたからコレで起動したらようやく復元プログラムが動いた。これで成功、と思ったらまだ失敗。何故かBig Surで取ったバックアップが、1つ前のCatalinaで復元されるっつー謎仕様が発動しやがる。
ただ、バックアップデータ自体は新しいSSDにコピーできてるクサイんで、大きめのUSBメモリにBig Surインストーラーを仕込みつつ、コレを起動ディスクとしてOSを最新にアプデしたら無事に動いた。いや良かった良かった。
動作確認が済んだところで、仮止めのテープを外してようやく正式に封印して完了。
結果はと云うと、爆の速ですよ。
フュージョンドライブももはや完全体と化したんで、これからはメインMacとして大活躍するでせう。

あと、去年の黒金の時にApogee Element 88というオーディオI/Oを半額以下で買ったんだが、去年までのメインMacであるマクブクにはThunderbolt 3端子しかないせいか、96KHz以上に設定しないと音がブツブツ切れまくってイマイチ不便だったんだが、アイマクのThunderbolt 2端子だったら48KHzとかでも問題ない事が判明した。何だか良い事ずくめだねい。