東京ゲーム音楽ショー2019

去年に続き、今年も新作CDを作って出展してきました。

いやあああ、しかし大変だったなああ。
去年の出展から一年、次回作を準備する時間が意外と無くて、イベントの10日前の水曜日に「アストロ忍者マン」のサウンドをUPさせたところでようやく時間が取れたんだけど、その時点でなーんも決まってなかったからね。
3日ほど方向性を模索して、土日に別件の仕事で外出している時に漠然と方向性を決めて、月曜日からダッシュで作業に取り掛かったら、いきなりMacのシステムディスクが飛んだ。
以前云った外付けSSDが稼働せず、外してサブMacに繋げてみたりとアレコレやってたらどうにか動き始めたから良かったものの、また飛んだら死活問題だから、イベント終了までは怖くて電源が切れず、その日も半日を費やして予定外のバックアップ大会を開催するハメに。
そして、翌火曜日はiLok(楽器アプリを使用するための鍵のようなもの)を認識しねえと来た。
我が人生、よくもまあ肝心な時にこうもトラブルが襲って来るもんだと呆れるばかりである。
この騒動も午前中だけで自然復旧したが、急を要してる時だから痛手だった事には変わりない。

CDのコンセプトとしては、過去作のどれか3曲を変なエレクトロにセルフアレンジして500円で販売しようと決めた。
と云っても、そんな作風の曲なんて作った事がない。トラブルと音源焼きと印刷込みの5日間で3曲仕上げるという余裕の無い中での初挑戦なんて無茶だけど、せっかくの特別企画CDなんだから、ココでしか出来ない事をやってみたいっつー欲が勝っちゃうんだからアホウですよ。
ただ、無理だと思いながらやるから無理なんであって、出来ると思ってやると意外と出来ちゃうモンなんですね。3曲同時進行という1曲コケたら全部パアになるような作り方をしつつも、何とか金曜の夕方には仕上がった。
CDを焼きながら、今度は盤面のデザインに着手する。と云っても、ごくシンプルなデザインにしたから時間も掛からず、片っ端から刷り倒して日付が変わる頃にはどうにか終了した。
ジャケットも同じくシンプルに仕上げ、これを刷ったらついに完成!ってトコで思わぬ大誤算が。
半透明のジャケットなんて面白いかと思って、Amazonの評価で「家のプリンターでも印刷できた」という評価多数の厚手のトレーシングペーパーを買ったんだが、いくら刷っても紙詰まりしかしねえと来たもんだ。
うそーん、今年はジャケ無しかよおお。むむむ無念なり。
去年の初参加の時も当日まで準備でドタバタして、せっかくツイッターで前日の盛り上がりを見せていたのに参加できず、今年もまた同じ事を繰り返してんのを後悔しつつ3時過ぎに就寝。
月曜から5日間、毎日3時間睡眠と体力を削りまくっての作業でした。

今年は制作中のアストロ忍者マンを展示したかったんで、今年もRIKIさんを呼び、さらに一緒に忍者マンの音楽を担当した齋藤博人さんと並木学さんをブーススタッフとして迎え入れた。齋藤さんに至っては物販も用意できると云うから、共同ブースって名目にした。
段取りよく開場30分前に準備完了すると、そこからはもお楽しい時間でした。
隣のブースはパズドラのコンポーザー中島亨生さんで、ツイッターでは相互フォローの間柄なのでまず挨拶して、ちょっと向こうにはキラスタでご一緒した国本さんや、お馴染みの中潟さんがいるので軽く挨拶。
そしたら、齋藤さんや並木さんを慕って細江慎治さんがやって来て、初めてご挨拶。実はお互いの地元がチャリ圏内なもんで、思わずローカルトークが炸裂したりして。
コナミのサウンド藤尾さんも顔を出してくれました。来たはいいが、オレが店番をやってる背後でMADARAのサウンドドライバーの話とかしてんだもん、オレもその話に加わりたかったなああ。
共同ブースの齋藤さんとは初対面だったけど、何だかエラく話が盛り上がってしまった。サウンド開発あるあるから始まって、ブラック企業の自覚無いあるある、アナログシンセやプラグインシンセの話、果てはお互いにバイカーな事まで発覚して、まあ楽しいの何のって。

去年に続き、阿保君がやって来た。K社で同じ釜の飯を食った仲だし、よく一緒に遊んでいた間柄だから年イチでこーやって会えるのがとても嬉しくてねい。
コンポーザーってのは基本ミュージシャン上がりなんだが、70年生まれを境にパソコン少年上がりのコンポーザーが次第に台頭して来て、中でも72年の早生まれの阿保君はその代表格である。
楽器をやった事もないのに発達した感性と抜群の耳の良さを持って、細かなニュアンスまで表現できる脅威の新人類なんだが、個人的にその分野でもう一人驚いたのが71年生まれの並木さんで、この同学年2人が「何年生まれですか?」なんて話をしてるのが何だか妙に感慨深くて。
武蔵と小次郎、ついに並び立つですよ。2人とも現在に至るまで内蔵音源クレイジーだしね。

あと、以前から気になっている事があった。「忍者龍剣伝II」などのテクモのゲームに高1の時のクラスメイトの女子の名前がコンポーザーとして出ているという。
オレ、高校生の頃は男子とバカな事やって遊んでるのが楽しくて、女子とは大して交流を持たなかったから詳しくは知らないんだけど「あの子スゴイよ、バンドでこの曲やりたいってテープを渡すと、次の日には全パートの譜面を書いて来るんだ」っていう音才に長けた話は聞いてたから、きっと本人に違いないとは思ってて。活動してた年代もちょうど同じだし。
せっかくの機会だから一度確認しておかねば、と忍龍IIのサウンド担当の新田竜一さんのトコへ突撃して真相を訊いてみたところ、やっぱり本人だった。何でも作曲専門のバイトで、評価が高かったからしばらく使ってたんだそうだ。
いやー、そうだったのかー。もっと早く知ってたらなあああ。
と云うのも、15年ぐらい前かなあ、クラス会で会ってるどころか、席まで隣になったっつー。
でもまさか、何の取り柄もない普通の成績の普通の都立高校のフツー科クラスが、こんな特殊な業種を2人も輩出するなんてフツー思わないじゃないっすか、だからそこで会って、ただただ他愛もない話をしただけで終わったんですが。
他にもテクモのサウンドチームにはもう一人心当たりがあった。クラスは違うんだけど専門学校の同級生で、自分のバンドにオレを入れたがっていて、じゃあ試しにと2回ほどスタジオでジャムった事があったという間柄だったから気になって訊いてみたら、同い年の半井香織さんがそこに反応。
何と、半井さんも同じ学校だったとわー。
共通の先生の話とかして盛り上がって、思わずゲーム音楽ショーを同窓会ツールとして活用ですよ。

去年はシオダ初参加という珍しさもあってか、なかなか大変だった。
でも今年はサンプル音源を前日の夕方にやっとUPしたというコマーシャルの弱さが祟ったか、さほど行列する事もなく、とは云え客足は終始途絶えず、結果的に去年に近い枚数を売り上げ、イベント終了まで一度も座らなかった割には大した疲労もなく終えたんだから、毎年こーゆーのがいいなーなんて思ったりして。
そして去年と同様、おそらくこのぐらいの枚数を用意すれば十分だろう、という目算よりやや多めに準備したら、その目算をちょっと超えた枚数を売り上げたっつー、思わぬ商才が開花ですよ。

終了後は忍者マンチームにhallyちゃんの一派を加えて、ファミレスで軽い打ち上げをして帰宅した。
いやー、楽しかったなー。でも翌日もコレに匹敵する楽しい事があったんだよなー。つづく。