ライブ出演しましてん

最近、なかなか忙しくてですね。

ゲーム制作の現場では、クライアントに進捗を見てもらうとか、ゲームショウに出展するなどの理由で制作途中のバージョン、俗に云うアルファ版ってやつを必ず提出するんだけど、今作ってるヤツのアルファ版が15日に提出だって事を2週間前に知らされたんだから参った。
その2週間で、13日のライブの仕込みをやろうと思ってたのにー。
本来ならもっと余裕を持って提出するつもりだった曲群をマッハで作って、ソッチは何とか格好は付いたものの、ライブの仕込みの方がアレな感じになっちゃいましてね。

な訳で、8BIT MUSIC POWERリリース記念ライブのおはなし。
チップチューンのライブに出たのは「Chiptune Japan Tour 2006」と「Lo-bit Playground 8.0」だけで、両方とも9年10年前の話と相当なご無沙汰だったんだが、前者のライブでは前々日にLSDjが、後者は前日にNanoloopがそれぞれクラッシュしたっつー修羅場を迎えたんだから、今回はこれでも一番マシだったかも知れない。
つってもやっぱりステージ上では練習不足による失敗の連続で、狼狽しながらライブをやるいつものスタイルを披露するあたりはまるで成長ねえんですが。
まあそんな事はあったものの、楽しかったでしかしー、正味のハナシー。
ファミ通さんのインタビューを行ったのが8BMP発売の10日前で、その時に出た話では、どうもライブチケットがすでに半分以上売れているという。
まだ発売前の素性の知れないモノに対して、この集客ペースは異例だってみんな驚いてね。
案の定、前売も完売して、いざ始まってみたら暖かいお客さんばかりで有り難くてねい。
ただ、RIKIさんの出演するイベントに便乗させてもらう時には、「この中にサマーカーニバル烈火を知ってる方いますか?」・・・シーン「その作曲者のシオダさんです!どーぞ!」メッチャ出づらいやんけー!で、お客さんドッカーンっていう常套パターンがあって、その日も振ってきたから会心のツッコミを決めてやろうと構えてたら、皆さん烈火を知ってたんだから嬉しいやら、おいしいトコを逃した感やらで心中複雑になったりして。

しかし、いい日でした。ちょっと夢見心地になるような。
だって、楽屋にドットマン小野さんが居るんだもん。
以前、オールドナムコへの憧れをしたためたが、ギャラクシアンやパックマンの頃にゲームを好きになり、今回の8BMPではその頃の情景に思いを馳せた曲まで作ったオレからしたら、その夢中になって遊んだゲームを作った本人が隣にいるんだから、小僧に還らない訳がない。
だから大喜びでオールドナムコ話、ギャラクシアンのボスの不思議な形状の話とか、ギャラクシアンとギャラガの絵のコンセプトの違い、ラリーXとニューラリーXの機体の違い、そこから話がボスコニアンに飛んだりとか、そーゆー内容をむさぼり聞いたっつー至福の時間でしたよ。
それは、国本さんに対しても同様だ。オレはファミコンはあまりやってないんだが、それでも国本さんのファミコン曲って当時をリードしてマシタ臭がパなくて、あの音を聴いてると、日なたのリビングで幼い子供たちがコントローラーを奪い合う声までオレには聞こえてくるんです。
楽屋ではハットリくんの妙技の話ばっかり訊いてたけど、スターソルジャーとかもスゲーいいし。
やっぱり偉大な先人には、他とはちょっと違う憧れみたいなのが芽生えるモンらしい。
慶野さんはキラスタのイベントで一度会って(サインまでもらって)いるが、やっぱり心情としては前述のお二方と同様である。
今回収録された楽曲、Eight Bit Jungleについて「上モノが6拍(/8分音符)、リズムパートが5拍のポリリズムですか?」って訊いてみたら、忘れちゃったから後で譜面を見せてあげる、と云われたので、打ち上げの時に見せてもらったら、5+5+5/8なんて奇妙な表記してんの。
まあ確かに、辻褄は合うやねー。2小節ごとにコードが変わってくって事だからねー。
帰りも方角が同じだったから、やっぱりオールドナムコの話をいっぱい聞かせてもらった。
つーか、まさか、あの慶野さんと一緒に電車で帰る日が来るなんてねえ。
10年前、まだ大阪に住んでいたHallyちゃんがライブか何かのために東京に来た時に初めて会って、月島に連れて行ってもんじゃを喰ったんだが「まさか僕が、あのシオダさんとこうして2人でご飯を食べる日がくるなんて、未だに信じられません」なんて随分オーバーな事を云っていたんだが、まさか今になって同じ心境に陥るアラフィフですよ。

イベント終了後、アキバのパセラで打ち上げをしたが、まあ驚いた。
予約をしたRIKIさん、店側には(世間一般に知られていない)自分の名字と人数しか明かしてないハズなんだが、オレら一行が宴を開始するや、いきなり身に覚えのないケーキが運ばれてきた。
8BIT MUSIC POWERてー。何でバレたん?つーか、何で店の人が8BMPを知ってるん?
と思っていたら、店内のBGMまで8BMPにチェンジ。
コレはファミコンアルバムであって、それ以外の媒体でなんてもちろん出てない。って事は、店員さん自ら今日のために録音してきたんかー。スッゲー、パセラすっげえええ。
さすがに感激した。自分たちのやった事の大きさに気づかされた。
8BMPを作る事によって、ムチャクチャなリスクと対峙させられた。
バカになって夢を追って、失敗する事を恐れてないフリをしていたが、恐くない訳がない。
ってまあ、それはオレじゃなくて、RIKIさんの事なんですが。オレが云ってどーするっつー。
それでも普通に考えたら、時代的には全く有り得ないムチャクチャな作品を、ムチャクチャな価格で流通に乗せて、しっかり完売までさせてイベントまで大成功して、その先にこのサプライズだもん。
当然オレだってその日は酔うでしょう。まあ、一滴も飲んでないですがね。

ちなみに、打ち上げで特に話をしたのが、ヨナオさん、zunさん、並木さん、慶野さん。
不肖ワタクシめも一応、烈火の音楽なんぞを作ってますが、さっき楽屋でいっぱい話をしたのがスターソルジャーの作曲者で、今度はゼビウスとガレッガと東方とストラニアときた。
せっかくだから記念に一枚撮っておけばヨカッタなー。