諦念プシガンガ

3ヶ月も更新サボってたからスゲー今更感ですが、あの大地震には参ったね。

オレこの時、首都高走ってましてん。
仕事で乗ってた車がしょっぱい軽で、今時AMラジオしか聴けねえと来てる。
オレ、車を運転する時は絶対に好きな音楽をかけたい派だから渋々ラジオを聴いていたんだけど、何だか急にやれ地震だの、やれ車を端に止めろだのと騒ぎ出した。
最初は地震なのか横風なのかワカラン程度の揺れだったけど、次第にハンドルを取られるようになったから、じゃあ安全のために一丁止まりマスカと前方を見たら、よりによって目の前がガソリン輸送トラックでやんの。
車のケツに自ら「危」を貼っている車の真後ろってのも相当ヨロシくないから、慎重に抜き去って充分距離を取ったところで停止したら、もぉ車体が上下に跳ねるほど揺れた。
オレはジャンプバグか?って思ったもん。1跳ね50点エリアなら4000点ぐらいは稼いだハズだ。
でも今思えば、仕方なく聴いていたラジオの忠告が無ければ、その先に待ち構えて居たカーブに激突してたかも知れん。ラジオ様々である。
しかし首都高の上ってのは大型車が通っただけで揺れる場所だけに、まあ揺れた揺れた。
でもオレ、何となく分かってはいたけど、性格的にLet It Beなトコロがあってねい。
この世に生かしてもらってる以上、死ぬ時は死ぬんだから、今ここでアタフタしてもしゃーないよなー、なんて他人事のように考えつつ周りを眺めてたら、外灯も高層ビルも思いっきり左右にグネりまくっている。なのに、建物なんかガラス一枚と損傷しねえんだから日本の建築ってスゲーなーって思って見てた。
実は、海外のビルは解体する時にダイナマイトを使うけど、日本のビルでそれをやらない一番の理由というのが、ダイナマイト程度じゃあ壊れないからなんだそうだ。
大体、姉歯のマンションが崩れたっつー話も未だに聞かないし。

宝町で車を返却したはいいが、電車が全線止まっちゃったから、当然歩いて帰ろうって話になる。
いざ家までの距離を測ってみたら、精々ハーフマラソンぐらいだから大丈夫だろうと高を括りつつ出発してみたら、これがキツイのキツくねえのって。
何がキツイって、最初の1時間で麻布あたりまで来たんだが、赤坂から麻布までの間はずーっと坂道で、アップダウンを繰り返してるうちに心が折れそうになった。
しかも余震の中を歩いてたら、やたら目が回んの。こーゆー時は下手に歩くモンじゃないやね。
オレは歩行が速い方なので、道中は誰一人として抜かれずにいたんだが、三茶で生意気なるオヤジが捲ってきやがった。オレも対抗してやろうかと思ったがそんな余力など無く、その時は悔しい思いをしたが、やはりオヤジもオーバーペースだったんだろう。環八の手前でペースダウンしたところをまんまと抜き去ってやった。わはは、勝った。
まあそんな早歩きのおかげで、4時間で家に辿り着いた。玄関を開けるといきなり足下にバイクのメットが転がっていたから、これは一体どんな地獄絵図が展開されているんだろうと心配になったが、一見グチャグチャに見えつつも損壊は奇跡的にゼロで済んだ。
それよりも何よりも、一年チョイ前に大地震に備えて机を自作したのが気味悪いぐらい当たった。オレは昔っから悪運だけはベラボー強い。

しばらくの間、節電とか買い控えとかいろいろあったが、オレにとってはさほど不便ではなかった。
つーか、云っちゃあ不謹慎だが、日常とは違う生活感がむしろ楽しかった。震災後に日本じゅうで見られた団結力も何だか気持ち良かったし。
だから節制には見事に適応したが、いざ心掛けてみたら普段の生活とさほど変わらなくて、テメエの生活レベルの低さに気付かされたには凹んだっすわ。
ただ、唯一本気で困ったのが、ボーズにするタイミング。
オレは週一ぐらいで頭にバリカンを入れるんだが、その行程を全部一人でやる。
ボーズにする時は全裸になって、終わったらシャワーで洗い流すのが一番手っ取り早いんだが、この頃はまだ脱出用の荷物を玄関先に置いていた時期だけに、余震がかなり多い。
もし、バリカン中に大地震が来たら、なんて考えただけでも恐ろしかった。
何しろ、アタマ半分ボーズ、もう半分が伸びたボーズっつーキカイダー状の、体中に髪の毛を貼り付けた全裸というタイミングで地震で避難なんて事になればド変態極まれりですよ。
だからボーズにするタイミングだけはメチャメチャ神経質になったというね。

神経質と云えば、原発には参ったね。
でも参ったと云いつつ、オレはさほど気にしてないんですが。
さっきも云ったけどレリビーな性分らしく、被曝したらその時はその時でしゃーないって思ってしまうのは悪い性分だ。
つーか、この原発騒動の勢いで、オレの過去の被曝体験が判明しちゃったんだから、ソッチの方が余っ程参った。
と云うのも、オレが幼い頃、中国が大気圏で核実験をやってたんだそうで、この頃の東京都民は一雨降る度に1ミリシーベルト以上も被曝してたんだそうだ。
うっげー、キッタネー。オレ無邪気な子供だったから、空に口開けてモロ雨水飲んでたよー。