キラートーア

そー云や先日、K社の人達と数年ぶりに飲みましてん。

改めて云いますと、若い頃に勤めてたK社は最終的にギャルゲーメーカーとして名を馳せたものの、元々は開発部門を持たない大手おもちゃ会社や、K社の実力を頼って来るメーカーなどから依頼を請けて、硬派なアクションゲーだろうがお子様向けキャラゲーだろうが、ジャンルを問わず何でも制作していたという、開発専門のソフトハウスでした。
そんなK社の中でも、会社が蒲田にあった頃の初期メンバーは昔から仲良しで、20年以上経った今でも何かの拍子に会って飲む仲なんだが、今回は4日前に緊急召集した割には良く集まった。
オレ以外の人達はゲーム会社を3つ4つ転職してて、カプコンやナムコといった超メジャーから、全く無名なトコまで隈なく経験してるんだけど、みんなして口を揃えて「K社ほど破天荒でハチャメチャなトコは無かった」とか云っている。
オレはK社しか知らなくて、今でもアレがフツーだと思ってるから心中複雑ですよ。
だから、エピソードトークには事欠かないんだけど、悲しいかなみんな歳をとって、話を好き勝手に横道にスッ飛ばすようになってしまい、エピソードの一番おいしいトコを搾り取る前にもう別の話題に移っちゃうっつー。
やっぱ、こーゆー集まりって頻繁にやっておかないと、いろんな部分が鈍っちゃってダメだね。
ただ幸い、今回を機に簡単に召集できるシステムを構築したから、これからはもっと頻繁に集まるつもりでいる。

K社の初期メンバーって年齢があまり離れてなくて、今回の参加者も53〜47歳というナローバンドな集会だった。
さらに内訳を云うと、バツイチの独身が1名、あとは既婚と未婚が半々で、何と子持ちが一人もいないってあたりがまた他所とはひと味違う気がしてならない。
そして、今でも全員、ゲームやグラフィックといった当時から変わらない業種でメシを喰っている。
こないだまでやってたNHKの朝ドラ、漫画家になって成功する話かと思いきや、単行本を1作出したところで伸び悩んで引退して主婦になってしまうんだけど、コレ、すっげえリアルな話なんですよ。
こーゆー、創作とか表現の世界でプロとしてやって行くのって相当難しくて、その継続組と比べて数倍もの人がいろーんな事情で継続できずに消えて行き、さらにその何十倍もの人が、そもそもプロになるとこまで来れていない。
しかも、有名メーカーでヒット作でも手がけていればちったあ箔が付くモンだが、ソフトハウス時代のK社のような環境で完全裏方ばかりやっていると名前を売る事もできず、さっきの例で云う、いろーんな事情で継続できない立場に陥るリスクが激増する。
そーゆー厳しい状況にある事は十分承知の助であるからして、みんな未だにその世界で頑張っているってのはちょっと感動的であったりなかったりする。

ただ、ゲーム業界から去って行った人の事をつい「カタギ」って呼んでしまうのはK社の悪い癖であり。どんだけ修羅な世界なんだよK社。