地元の同級生と「ラーメン食べ歩き隊」(略して「裸体」)を結成してはや8年。

去年の年末に久しぶりに、裸体でツアーに出た。
主に神奈川で活動している裸体なので、今回は本丸亭@本厚木と能登山@長後へ出陣。
本丸亭は以前、一度だけ行った事がある。人生で屈指の塩ラーメンを出されて感銘を受けた店だ。
最近の塩ラーの傾向としては、くじら軒や中村屋のような魚介の効いたあっさり系スープに細麺というスタイルがスタンダードとされているが、本丸亭のはまるっきり違う。青竹で打たれた太めの縮れ麺は佐野ラーメン風であり、魚介系よりも丸鶏や豚骨などの動物系の風味が前面に出ているため、スープは全くライトではない。具も春菊やワンタンが目を引くといった感じだ。
このようなあらゆる点でオリジナルな塩ラーなんだが、これがバカ旨。
情報過多なこのご時世、流行りの店に右へ習え風味なラーが多い中、こーゆークリエイター気質を発揮しながらも、ここまで見事な味を作り上げてしまうんだからスバラシイです。

そして、その後に行った能登山もコレに匹敵するスゲー店だ。
低カロリーでヘルシーなラーを出す事をモットーとしているとかで、最近では珍しくない「無化調」を唱うのは解るんだが、それに加えて動物系のダシさえも一切使わないんだと云う。
豚骨も鶏ガラも使わねえラーメンて、と一瞬思うんだが、そんな事を感じさせないぐらいエッジの効いたラーが出て来て驚いた。
もちろんあっさり系スープなんだが、コクがバッチリある。旨い。
ラーメンでここまでヘルシーと美味を両立させるなんて、不可能な神業だと思ってたっすよ。
でも、それを成し遂げてしまう程に凄まじい執念とラーメン愛である。
裸体活動を8年やってるけど、こんなに大アタリの店が続く事なんて過去にも例が無いぐらいだ。
そんな2つのスゴイ店が、オレら裸体に強烈なインパクトを与えるハズだったのですよ。

「ハズだった」ってのは、実は、この2軒の前に1軒寄ってましてね。
その1軒のラー屋を知ったのは、もう一年以上前。
裸体の隊長が「ロックンロールとかいう店なんだけど」って切り出したのが事の始まり。
町田の目立たない場所に新しいラー屋ができたのはいいが、白地の壁に赤いペンキで「ラァメン屋」の文字。さらに同じ赤いペンキでセクシー系の女性のシルエットの絵。で、店名がロックンロール。
隊長、相当やべぇトコだなぁと思って敬遠してたらしい。
ところが風の噂で、裸体も御用達の「キリン食堂」の店長が新たに立ち上げた店だと聞いてからは、これは一度行かねば、って話に当然なるんだが、何しろ昼の数時間しか開いてないって云うからタイミングが難しく、今回ようやく一年越しの念願が叶った。
店に入ると「お静かに!」「携帯はご遠慮下さい」「食事中の読書はご遠慮下さい」の文字。
結果、待っている間は店主の調理する動作を見る以外にやる事が無い。
ところが店主、客全員の視線がモロに集中しているのを利用してか、料理に一切手抜きをしない。
熱湯で温めた有田焼の丼にチー油(鶏油)を敷き、醤油ダレを入れ、注文ごとにわざわざ小鍋で温め直したスープを投入。麺は最高でも3玉以上は同時に茹でず、入念に湯きりして丼の中へ入れ、麺の形を整えてから具を載せ、最後にまたチー油を入れて、丼の淵を拭いてキレイにする。
そして驚いたのが、その日の最初の一杯が完成したら、客に出すラーメンのスープにレンゲを浸し、おもむろに一口味見をしてしまうんだからカルチャーショックですよ。
もちろん、レンゲですくったのを小皿に移してから飲むから、衛生的には全く問題ない。
ただ、完成した状態の味見をするラー屋ってのを初めて見たっつーか、よくよく考えたら料理でも音楽でも完成品のバランスを見ないのは逆にオカシイ話なんですよね。
そこまで入念に作った入魂のラーなんですが、前述の2店を完全に喰ってしまう程の衝撃ですよ。
あくまでオレ内基準だけど、歴代ベスト3に間違いなく入る。
もうこの歳にもなると、旨いラーメンに出会ったって感動なんてしないんだけど、久々にシビレた。
店名は正しくは「69'N' ROLL ONE」。メニューは醤油味の「2号」と塩味の「3号」のみ。
以前は1号もあって、3号も出た当初はV3って云ってたらしいから、ナイス遊び心である。
そのうち新1号やタックルが出る事を期待してますが、さすがにアマゾンまでくると抵抗あるなー。

ちなみにこの日は3軒をハシゴした裸体ですが、帰りに隊長の家でマリオカートをやった事に因り、今や全員がWii持ちとなり、最近は裸体間でのWi-Fi対戦が熱いというステキな後厄である。